アルプス最高峰モンブラン登頂


バロマの指差すモンブラン

8月15日  2度目のアタック

夜明け前の山頂
 前日の2時45分にグーテ小屋に着き、高山病対策と水、ビール、チョコラ(ココア)、など 水分を多く取る。夕食は、前回と同じコースで、贅沢な食事である、明日に備え早めに寝る。
 早朝2時近くに成ると、廻りの人達が起きだし、朝食の用意、出発の準備をする人で、賑やかに成っ て来た、食堂は混雑で空きが無い、空いてからゆっくりとし、3時にグーテ小屋を出発した。星は降る ほど輝き、雪はガチガチに氷付き、アイゼンが良く効く。ドーム・デュ・グーテ雪面のルートは、懐電 の明かりが天まで伸び星と化す。今日の登山者の最後尾のようだ。懐電の明かりで歩くのは疲れる、他 のパーティの歩きが遅い、追い越すのにトレースを外れての登りは辛い、追い越す事数回、かなりゴボ ウ抜きにした。さすが多賀谷さん、疲れも見せずしっかり付いて行く。
 東の空が少しつづ紅く成り出し、北の空では稲光が光っている、シャモニの町明かりも洒落ている、 今日のアタックパーティ半分の位置まで、追い上げた、4時45分にバロの避難小屋に着く、小屋の廻 りでは、数パーティが休んでいた、ここで小休止し行動食を取る、グランド・ボスに続く雪稜にも懐電 の明かりが続く、上を見上げると流れ星が、いくつも流れて行く、10分ほど休み出発。
 ここからも、グランド・ボスの広い雪稜をひたすら登る、空は見る見るうちに明るく成り、高度もグ ングンと高く成るが、風が無いのが助かる、グランド・ボスの頂きで、ほとんどのパーティを抜き、ト ップ集団に追い付く、プチト・ボスの小さい頂きを超えると、目の前に急な雪稜が伸び、あれが山頂で あってくれと願う、次第に稜線は、狭くナイフエッジと成り、両側がスパット切れ込み、高度感が有る 、慎重に足元を確認しながらも、高度障害のせいか呼吸も荒く辛い、ナイフエッジを越えると、緩い稜 に成り、やっと待望の山頂に6時10分に立つ。
 
   【 モンブラン山頂 】
 頂上はかなり広く、先行パーティが2組居た、3番目の登頂となり、かなりのハイペースだった、ま だ太陽は顔を出して無い。山頂の記念写真も、ストロボでの撮影だ。今にもご来光の様だが、なかなか 出て来ない、歩いている時は感じなかったが、じっとして居ると、アットゆう間に寒く成る、4807 mの高さを感じる。2度目のアッタクのせいか、気合が入ったか、アットゆう間の山頂だった。
 もっと展望を楽しみたいところだが、寒さには勝てず、下山にかかる。登りとは逆に、私が先頭に成 りザイルを確認し出発する、まだまだ登るパーティが続き、下山は我々だけだ、目が合ってしまうと思 わず、胸を張ってしまう。
 雪はまだまだ硬く、アイゼンは小気味良く効き、快適に下る、山頂から数10分後、ご来光になり、 写真を撮る、対面の山々がモルゲンロートに輝き、オレンジ色から、紅く変わり、燃え上がって行く、 見事である。必死で登るパーティを横目に、ルンルン気分で下り、あっとゆう間に6時45分、バロ小 屋に着く、空はかなり明るくなり、廻りの山々が見えて来た。西の空には、モンブランの影絵が出てい た、ここで少し休憩し、行動食や水を飲む。天気も良く、風も無く、雪上4000mの、ハイキングの 様な気分で、グーテ小屋に急いだ。エギュード・グーテを過ぎると、グーテの銀色の小屋が、見えて来 た時はホットした。7時30分に小屋に着く、中では管理人が、コーヒーを美味そうに飲んでいた。今 日のNO1と歓迎を受けおだてられた。
 時間的にこれから1日が始まるころ、暫くのんびりしてから、ガイド祭りを見に行くので、シャモニ へ急いだ。

山頂直下のナイフエッジを下降する
 
シャモニの町
 
グランド・ボスの広い雪稜帰り見る
山頂直下の急登を降りかえる モンブラン全景

グーテ小屋にて

グーテ小屋到着