メール・ド・グラス氷河とグランド・ジョラス北壁の周遊・レム北北東稜



【 朝陽に輝くグランド・ジョラス北壁 】


【 グランド・ジョラスを背に 】

8月1日〜2日  1泊2日
   
 【 メールド・グラス氷河 8月1日 】
 今日はのんびり起き、朝食を食べる、ほかの人達はモンブラン・タキュールに行っているので 静かだ。ホテル前10時集合でかなりのんびり出来き、葉書を出したり、町の写真を撮りに出歩く。 私は翌日にレム岩登りがあるので、皆より荷物が多くザックが大きい。
 10時に、武川さん、写真家の小森さん、氷河歩きの関山さん、多賀谷さん、私の5人で出発する 。駅は国鉄シャモニ駅の奥に有り、登山電車にてゴトゴトと登り始める。窓からはシャモニの町が小 さくなって行く、尾根を廻り込むと、左にドリュー西壁、右前はグランド・ジョラウスが見え、メー ルド・グラス氷河が長く続いている。

【 メールド・グラス氷河 】
 モンタンベール駅で、電車を降りる、駅舎は石作りで眺めの良い所に立っている。小森さんはすか さずカメラを取り出し撮りまくっていた。暫く武川さんに山の説明を聞きながら腹ごしらえをし、観 光客が疎らになった頃に、メールド・グラスに降り始める、100メートル程ジグザグに下降し、氷 河の上に辿り着く、氷河の表面は汚れ黒いが、中は青く透き通り奇妙な感じだ。

【 メールド・グラスの氷河歩き 】
 ここからアイゼンを付け、メールド・グラスの氷河歩きが始まる、平坦に見えるが少しつづ登って いる。次第にクレパスも多くなり、モレーン滞に入る、クレパスを避け右や左へと廻り込み、なかな か前に進まず時間がかかる。モレーン滞を抜けると歩き安い氷の面となり、アイゼンが小気味良く効 き楽しい、氷河の上に水が流れている、夜になると上部が氷り、流れず昼間だけ流れるらしい。  この先氷河が2つに分かれ、右が本流で、メールド・グラス氷河からジェアン氷河と名を変え、モ ンブランの東面まで延びている。左にレショ氷河へ入って行く、アップダウンの多いモレーンを、ケ ルンを探しながら先に進む、ルートは見失いやすくルート判断が難しい所だ、ここを抜けたところで 一休み、小森さんの山々の話を聞きながら眺める、遠くモンブラン方向には、ミディのロープウエィ が3つ並んで、動いているのがかすかに見える、グランド・ジョラスは頭が隠れ見えない。

【 グランド・ジョラス 】
 コースは氷河から離れ、岩場を登り暫く歩くと、梯子が出てきてこの岸壁を一気に450メートル 登る、問題は無いがかなりの高度感でスリルが有った。登り終わるとお花畑となり、見たことが無い 紫のユリが咲いている。モンブラン、グランド・ジョラスには雲が掛かり見えなくなりつつ有る、関 山さんはかなり疲れているらしく遅れぎみになるが、武川さんは構わず先に行ってしまう、先に私と 二人でクーベルクルヒュッテに行く。武川さんは宿泊の手続きをし、みんなが来るのを待って全員で 中に入る。

【 クーベルクルヒュッテ 】
 石作りでなかなか綺麗な小屋だ、まだ明かりを灯してないので暗い、ベッドに荷物を置き、飲み物 カメラを持って食堂に集まる。夕食までワイン、ビールなど飲み、シャモニに居る日本人ガイドの話 、小森さんの撮影談議、ヒマラヤでの裏話など聞いた。夕食は、グーテ小屋と同じ様に、スープから 始まりメインが出てきてデザートで終わる、ここではご飯がおかずとして出てきた。明日は下山する だけとあって、夜遅くまで食堂にて話をしていた。

 【 レム北北東稜 8月2日 】

 6時に起き外は明るくなっているが日は出て無い様だ、小屋の前テラスでカメラを構え日の出を待 つ、6時30分ごろから、モンブラン山頂から次第に紅く成り下へと移り、全体が紅くなる頃、グラ ンド・ジョラスも紅く成りだし、両方にカメラを向ける、その頃モンブラン上空に有った月は、沈ん でしまいう。

【 日の出モンブラン山頂 】
 朝食を済ませ7時30分クーベルクルヒュッテを出発する、帰りぎはグランド・ジョラス、モンブ ランにカメラを向け名残惜しむ。氷河への下降はスムースに行き辿り着く、氷河はカチカチに凍り付 いている。帰りは来る時とは反対の左岸側を歩く、モンタンベール駅登り口から行き成り梯子で、一 気に上まで上がる。
 私はこれから岩登りをするので皆と別れる。10時に駅で待ち合わせだったが遅れる、約束してい たガイドが見つからず、ザックに日本語で、ガイドは私に変わりました、と有った。駅まで一気にき て少し休みたかったが、直に出発する雰囲気で休めなかった、取り付きまでたいした事ないと聞いて 居たが、とんでも無く長く辛かった。
 取り付きからはレム北北東稜は、あまりたいした様に見えない、靴を履き替え、ゼロバン、ヘルメ ットを付け、重い荷物を背負っての登攀を始めた。最初の2ピッチはフェース状で、細かいホールド を拾って登り、核心部の直角クラック(4級)は流石に手ごわい、ホールドが両面にまったく無く、 30センチ位の隙間に足全体や、腕など入れてあれやこれやと動き、ザックは当たるし苦労しながら 登りきる。10メートルほどだったが、なかなかの物だった。後半は快適に登攀が出来2時間で、山 頂に着く。ガイドと写真を撮る、
【 ガイドのピエール氏 】                【 メールド・グラス氷河 】
ここからはメールド・グラス氷河、ドリュープラン針峰が、良く見 えシャモニの町その上の赤い針峰群も手に取る様だ。頂上にいた人がジャポン何とかカンとか聞いて きたが分かない、雰囲気でこの辺の岩場には、日本人は来ない様だ。下降は反対側のガレ場を下りあ っとゆうまに着いた。
 帰りは氷河を2つ越えるとハイキング道に出て、30分程歩くとプラント・レギューユのロープウ エィ駅に着いた。ガイドがチケットを買いに行ってくれた、その間写真など撮ったりしていた、駅の 中は観光客でいっぱいだ、ガイドはロープウエィが無料だとは知らなかった、シャモニの駅に着くと ホテルまで送ってくれると言ってくれたがここで「OK」と断った。
 

【 グレポン 】

【 氷河上の川 】

【 グランド・ジョラス 】

【 ドリュー 】

【 ジェアン氷河とモンブラン 】
【 レムの核心部 】
【 レム北北東稜 】
【 エギュー・ド・ミディ 】                 【 レム北北東稜をバックにて 】